Facebookは、どちらかといえば「手の内を明かさない」ことで知られている。しかし、同社はここ数カ月間オープンソースへの取り組みを積極的に喧伝するようになった。そして、Facebookは米国時間10月24日、「Scribe」と呼ばれる自社開発ソフトウェアを、オープンソースコミュニティーに提供すると発表した。
Facebookのブログによると、Scribeは、Facebookがサーバを経由して流入してくる膨大なデータを処理するための支援ソフトウェアとして使われてきたもので、Scribeのページには「Facebookを使用していれば、Scribeを使っている」と書かれている。より具体的に言うと、「多数のサーバからリアルタイムに送られてくるログデータを収集するためのサーバで(中略)クライアント側を変更せずに拡張でき、ネットワークや特定マシンの障害に対して堅牢に作られている」という。世間一般のFacebookユーザーは、Scribeがオープンソース化されてもあまり利用することはないだろう。
Scribeの提供はまた、ある意味では、同社の技術力に懐疑的な批評家に対するメッセージでもある。昼夜を問わずメッセージを送り写真をアップロードするアクティブユーザーは今では1億人を超えており、同社にはそのためのインフラストラクチャを適切なコストで稼働させる能力がないのではないかという疑念が一部批評家の間にくすぶっている。Scribeをオープンソースで提供することにより、Facebookは「われわれは、サイトを効率的に運営するためのソフトウェアを自社開発できるだけでなく、みなさんにお見せすることもできる」と実質的に述べている。
出典:CNET Japan